雨漏りは経年劣化・自然災害・施工不良など様々な要因で起こりえますが、わずかでもお住まいに雨水が浸入している状態は原因を特定し補修工事を行っていかなくてはなりません。「雨漏りの被害が軽い」「雨漏りが発生する時と発生しない時がある」等の理由で補修を先延ばしにしていても、雨漏りが自然に改善されるということはまずありません。

　お住まいで雨漏りが生じると屋根材や外壁材などの腐食だけでなく構造・躯体の耐久性低下、内装材の腐食やカビの発生、家電製品の故障など被害は多岐にわたります。ある一部分からの雨漏りであっても被害は徐々に拡大し、部分補修が可能であったはずなのにいつの間にか全面補修をしなければならないといったケースも少なくありません。

　また体調が優れないお年寄りや小さなお子様がいらっしゃるお住まいでは、カビの発生によって喘息や肺炎等の健康被害までも引き起こす恐れもありますので、火急に対応していく必要があります。

　雨漏りに気づいた時点で施工業者に相談し、現地調査で雨漏りの原因を突き止めた上で補修工事を行い状態改善に努めなければなりません。

　雨漏りの補修工事は緊急性が高い為、我々も早急に対応させていただいております。雨漏り補修のご相談をいただき現地調査にお伺いした時点で工事の日程をお答えできることが理想的だと感じております。しかし多くのお客様からのご相談をいただく中でなかなかスケジュールが組めず工事まで日数がかかってしまうこともあります。しかしだからと言って雨漏りを起こしてしまっているお住まいをそのままにはしておけません。このようにすぐに補修工事が行えない場合に「雨養生」をさせていただきます。

　養生とは通常工事中に他部位に傷や塗料が付着しないようテープやビニールを使用して覆う作業で、塗装メンテナンスの過程では飛散防止用に足場に取り付けるメッシュシートや窓やドアのビニール、そして仕上がりを綺麗にするための目地打替え補修時のマスキングテープも養生にあたります。

　お住まいに雨水が浸入しないように行う養生は「雨養生」と呼ばれ一時的に雨漏り被害を防ぐ、いわば応急処置の作業になります。雨養生を行うことでお住まいへの被害も最小限に抑えることが出来ますので、補修費用の軽減・工期短縮も図れますが、あくまで一時的な簡易補修ということを把握し早めに補修工事を行えるよう対応していく必要があります。

　応急処置でも良いから雨漏りを止めてほしいという方は多いかと思いますが、内心では「本当に雨漏りが止まるの？」「屋根の上はどのような状態になっているの？風で飛ばない？」と不安を抱えられているかと思います。そこで雨養生の方法を雨漏りが起きる原因や箇所もあわせて簡単にご紹介したいと思います。もちろん依頼した施工業者によって対応方法も異なりますが①雨水が浸入しない事、②強風や雨で養生が剥がれない事を目的に作業を行っておりますので、雨養生後の様子を写真とあわせて報告をしてもらえると尚安心ですね。

　屋根材にひび割れ・割れが起きるというのは珍しいことではありません。実際に雨水の浸入を防いでいるのは下葺き材(防水紙・ルーフィングシート)ですので雨漏りを起こさない事も多いのですが、下葺き材が露出すると太陽光や雨水によって劣化してしまいますので応急処置は行っておきましょう。屋根材に付着している汚れや苔は補修剤の密着性が悪くなってしまう為、綺麗に取り除いてから防水テープやシーリング材で雨養生を行う必要があります。

■瓦屋根

■スレート屋根

　主原料の関係上クラック(ひび割れ)が発生しやすいモルタル外壁や、張付時に打ち込んだ釘によりひび割れが生じるサイディングですが、クラックが拡大するとその隙間から雨水が浸入し雨漏りを引き起こしかねません。雨漏りが進行する事で外壁材や透湿防水シートが傷んでしまう前に補修を行いましょう。

　金属屋根材の錆は腐食が進行すると剥がれてしまう為、雨養生を行う前にケレンやペーパー掛けで表面を綺麗にしてから応急処置を行います。雨漏り箇所だけを張替え全体の塗装メンテナンスを行うこともあるかと思いますので、屋根材と塗料どちらとも相性が良く密着性の高いシーリング材を使用することも大切です。

　ベランダ・バルコニーや陸屋根は防水層を形成し雨漏りを防いでいますが、シート防水は特に強風で捲れやしわを起こすことがあります。既に剥がれが見られるシート防水は補修時に剥がしますので、少しでも雨水が入り込まないように防水テープで雨養生を行っておきましょう。

　対してウレタン塗膜防水、FRP防水は既存防水層を撤去するケースがほとんどない為、防水テープで出来た段差によって勾配不良を起こさないように養生方法も考慮しておく必要があります。

　既に棟板金が外れ落下している場合は屋根材に開いた釘穴からも雨水が入り込まないよう、防水テープやブルーシート等で大きく覆う必要があります。

　破損面積が広くまた確実に雨漏りを起こしている場合は雨漏り箇所がしっかり覆える程の雨養生を行わなければなりません、また養生後にも施工箇所別に注意点がございますので、定期的に養生の剥がれ等の問題がないかを確認しましょう。

　台風等の強風発生時に瓦が捲れ上がってしまった、棟が崩れてしまった、スレート屋根材が飛んでしまった等、屋根に関するご相談を多くいただきます。固定されていない屋根材は落下し二次被害を招く恐れもありますので、整列・撤去を行いブルーシートで雨養生を行います。更に今後風でシートが吹き飛んでしまう可能性がありますので重石として土嚢や瓦の設置、ロープで他部位への固定を行っておかなければなりません。

■瓦屋根

■スレート屋根

　豪雨・豪風でモルタルが剥がれ落ちてしまった、サイディングが割れてしまった等外壁の不具合も一時的にブルーシートで雨養生を行います。外壁でのシート固定は難しいので木材を下地にして釘等で仮留めを行います。

　また破損箇所によっては雨養生を行う時点で足場仮設が必要なケースもございますので、点検時に養生費用と工事までの日程を確認しておきましょう。劣化で剥がれる部位として軒天も挙げられますが、雨水が直接当たらず養生を行うことでかえって強風の影響を受ける可能性もありますのであえて養生を行う必要はないでしょう。

　雨漏りは台風等で破損したことが原因で起こるわけではなく、経年劣化していた箇所が大量の雨に晒されることで発生することもあります。目立った破損は見当らず原因特定の為に散水試験を行う事も可能ですが、いずれにしても全体的なメンテナンスが必要となります。この場合は全体を雨養生で覆った上で全体補修を検討しましょう。陸屋根はブルーシートの上に雨が溜まり続けてしまいますので、悪天候が数日続く場合は定期的に水を抜いてあげなければなりません。

　大切なお住まいで雨漏りが起きてしまったら早く補修工事を行い改善したいですよね？お住まいに異常を感じられない時には迷惑に感じる飛込み業者も、この時ばかりは救いの神とさえ感じることでしょう。

　台風によって破損・雨漏り補修には火災保険や共済が適用されます。自己負担なく復旧工事を行う事も可能ですが現況写真や見積もり書の準備等手続きに日数が掛かってしまいます。火災保険を利用した工事経験が少ない業者では上手に活用できないかもしれませんので、お客様にとって有益な工事が行えるかという事も施工業者を選ぶチェックポイントです。

ちなみに火災保険や共済を申請する為の現況写真を撮ってしまえば保険結果を待たずに工事を行う事も出来ますし、既に工事を終わらせたお住まいでも現況写真とお見積り書があれば申請が可能ですので補修時の書類は保管しておきましょう。

　業者が立て込んでいて雨養生が1週間後になってしまう、明日にでも雨が降ってしまうといった場合は雨漏り箇所の下に新聞紙や雑巾を敷き、水が撥ねないようタオル等を入れたバケツを置きましょう。

　屋根補修は屋根業者、バルコニー・ベランダの雨漏り補修は防水業者等、専門的な業者に依頼することが大事なのですが、専門業者ごとに依頼するのは調査・補修日程も異なります。お客様の時間を費やし大きなストレスもかかってしまいます。

　その点街の外壁塗装やさんでは、屋根外壁塗装工事はもちろん塗装前に補修すべきスレートやモルタル外壁の補修・防水工事・雨樋交換・軒天張替工事も承っております。雨漏りを起こしている場合は塗装ではなくカバー工法や張替工事等のご提案も可能です。

　屋根業者は立て込んでおり雨養生までも時間がかかりお住まいの状態が心配、屋根だけでなく外壁や付帯部の劣化も見てほしい等お住まい全体のメンテナンスをご検討されている方は街の外壁塗装やさんへ無料点検をご依頼ください。お電話でのご相談も承っておりますので、雨養生や塗装費用が気になる方もお気軽にお問い合わせださい。